Dead Flowers

L'Arc~en~Ciel「true」

true ジャケット

お気に入り度
★★★☆

Released Dec 1996

1.Fare Well

2.Caress of Venus

3.Round and Round

4.flower

5."good-morning Hide"

6.the Fourth Avenue Cafe

7.Lies and Truth ("True" mix)

8.風にきえないで ("True" mix)

9.I Wish

10.Dearest Love

耽美性とポップ性がバランス良くとられたラルクの出世作であり、初期の代表作と名高い一枚。メロディはポップで華やかなアレンジのおかげで、とっつきやすい作品に仕上がっています。ラルクらしさは残しつつ大衆性も手に入れたという感じで、この時期に一気に人気が上がってきた理由も分かります。

ただ大衆性を手に入れるということは、すなわち強い個性も少なからず捨てることになる等価交換の原理が働くわけで。ラルクらしさは残しつつと言うものの、やはりこのアルバム以前以後には見受けられるラルクが持っていた毒となる部分は薄れてしまった感はあります。世間では最高傑作とも言われたりしますが、そんなわけで個人的にラルク他作品に比べると、世間の評判ほど好きではなかったりします。


「Round and Round」や「"good-morning Hide"」といったロック系の曲は線が細い印象があり、このアルバムがラルク初体験だった私は、ラルクは激しいロックがあまり得意ではないのかと思ったくらいです。「Fare Well」もメロディは良いんだけど曲としてはベタな感じで、ラルクならもうちょっと練り込めたんじゃないかと。

逆にどのアルバムよりもメロディメーカーとしてのラルクの良さが出ているアルバムでもあり、シングルの「風にきえないで」「flower」「Lies and Truth」「the Fourth Avenue Cafe」(これは訳ありシングルになったけど)とかは、耳に残りやすい良い曲だと思います。


聴きやすさという点では群を抜いているので、ラルク入門盤にはもってこいだと思います。現に私もこのアルバムからラルク他作品もチェックするようになったので、なんだかんだ言いつつ、今でもたまに聴き返すくらい気に入っています。このアルバムをきっかけにこれからもラルクを聴いてみてね~という、ラルク側の思惑に見事に乗せられたような気がする。


お気に入り曲はやはり代表曲「flower」。アコースティックギターを絡めた初期ラルク黄金パターンの曲で、印象的なハーモニカと切ないメロディと、まあラルク好きでこの曲を嫌いな人はいないだろうなというような曲。

あとはラストの「Dearest Love」。以後散見されるストリングスアレンジのバラードではなく、ギターを中心としたシューゲイザー的なロックバラード。個人的にこの曲がベストトラックですな。ボーカルとコーラスの掛け合いは浮遊感があり、前作『heavenly』に通ずるサイケな一曲。前曲まで華やかな楽曲だったのに、この曲だけモノトーンで無常感が漂っていて、アルバムの中では異質な感じ。分かりやすくポップなだけでは終わらせないと主張しているよう。この曲はもっと評価されても良いんじゃないかな~。