Dead Flowers

スクウェア・エニックス「ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ」

ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ ジャケット

お気に入り度
★★★★

Released Jan 2016

プレイしたのはPS4版

最近のゲームにある評価軸として「自由度」というのが重要視されている気がする。世界の広がりや遊びの深さを表す指標となり、この自由度が高いゲームは評価がそれだけで上がるという具合に。自由度が高いとゲームの遊びとしての楽しみが多くあるので、それは結構なことなのですが、典型的日本人である私は指示待ち人間な性分で、自由度が高いゲームというのはどうも相性が悪い傾向がある。自由度が高いとその分何をやってもいいということなので、どうも導いてくれるものが無く、途方に暮れてしまうんですね。そんなに自由に遊びたいならゲームじゃなくて外出て遊ぶわという感じで。

今回紹介するドラクエビルダーズは「マインクラフト」というゲームをパクリ下地にしており、元々私もマインクラフトには興味があったのですが、色んな事ができる自由度の高さに、前述のようなハードルを感じていたんですね。ただドラクエビルダーズはそんな自由度の高いゲーム性を、うまくドラクエの世界観に落とし込んでプレーヤーに動機づけを与えて導いてくれるゲームになっていて、これなら私でもプレイできそうと思い、手に取ったゲームです。日本人ならドラクエにも馴染み深いものがありますしね。

ドラゴンクエストビルダーズ フィールド上
ドラクエの世界観に落とし込んだブロックの世界。

モンスターによって荒廃した町を発展させ、そこに人々が集まり、時にはモンスターと戦い、さらに町を発展させていく・・・という流れになっており、今やるべきことが明確かつ迷わないようにガイドもしっかりしていて、ストレスフリーにゲームができるのが良いところ。最近のゲームは本当にユーザーフレンドリーでありがたいなとしみじみ感じました。

町を発展させると人が集まりその町の住民になるのですが、この住民たちが結構大きい存在で、従来のドラクエだとせいぜい情報をくれるだけの存在でしかなかったのですが、今回は主人公のためにアイテムを用意してくれたり、町でモンスターと戦うときは一緒に戦ってくれたりと、色んな場面で活躍してくれます。主人公はソロで行動するため、町の住民たちがこのゲームにおける仲間という立ち位置になっています。それ故に町の住民たちの関係性も深くなり、この人たちのために街づくりがんばろうかという気持ちになりますね。なので、最初の1章で最終的に町の住民たちと別れることになったときは、本当にさみしい気持ちになった(笑)。数々の苦難を一緒に乗り越えた訳ですから。

戦闘は多少アクション性を必要としますが、しっかり準備してレベルも上げていけば難なく進められると思います。後半からは救済処置の超げきとつマシンでごり押しできますし。

ドラゴンクエストビルダーズ 町の中
町を発展させている途中。住民が頼りになるんですよ。

ストーリーはドラクエ1をベースとしていて、ドラクエらしくちょっとドロッとした毒気もあるストーリーになっています。1章からして町を発展させすぎることの危険性を描くというこのゲームの根幹を問いただすような内容ですし。ドラクエ1のストーリーに色々な角度から新解釈を与えたものになっていて、ドラクエ1をプレイしているとさらに楽しめるものになっています。

ドラクエ1では昔のゲーム故になかなか伝わりにくかった、人間の弱さに付け込むりゅうおうの恐ろしさがよく表現されていて、さすがラスボスという貫禄。やみのせんし関連のイベントはグサッとくるような内容でした。「周りに流されるような状況で、自分の意思で自由に自分の人生を歩むことができなかったため、りゅうおうの甘言に惑わされたのではないか」というメッセージは、私がこのゲームをプレイした動機を考えると何とも言えない気持ちになります。

自分で決められない意志力のないプレーヤーですみません。超げきとつマシンで戦略もへったくれもなくクリアしてすみません。そんな風にゲームを楽しんだと同時に自分の人間としての小ささを痛感させられた稀有なゲームかもしれない(笑)