Dead Flowers

没落のGoogle

『悪貨は良貨を駆逐する』という言葉を、私は人生訓として心に刻んでいます。悪いものが蔓延して、良いものがなくなってしまうという意味です。『正直者が馬鹿を見る』という言葉に言い換えてもいいかもしれません。2019年現在、なんというかここ10年のインターネットが『悪貨は良貨を駆逐する』ことが多すぎるように思えるのです。

年々悪化していくGoogle検索

昔のネットでは知りたいことがあれば「ググれ(Googleで検索)」とよく言われていましたが、現在ではもう死語になりつつあるのでは?と思います。というのも、現在のgoogle検索では表層的な薄い内容しかないサイトがヒットしやすく、多角的で深い知識を得ることができるサイトが見つけにくい状況になっているからです。

表層的な薄い内容しかないサイトというのは、乱暴に言えば、サイト内に広告を表示したり、コンテンツ内にECサイトへのリンクを貼ったりするようなお金目的感の強いサイトです。もっと具体的にいうと、まとめサイト、アフィリエイトブログ、キュレーションサイト、企業系ゲーム攻略サイトといったものです。今はそんなサイトばかりなので、見覚えあるかと思います。

コンテンツが充実していれば、そんなサイトも全然許せるのですが、9割方内容はペラペラというのがお約束ですね。で、一丁前にSEO対策だけはきっちりとやっているからタチが悪いというか。その結果、ペラペラな内容の割にgoogle検索結果は上の方に来るという。もっとやらないといけないところ他にあるだろと思う。

いや〜、本当にひどいもんですよ。中身ペラペラもあれば、恣意的に偏向的な内容にして注目を浴びることでアクセスを集めやすくするサイトもあったり、公式の情報を羅列しただけで自分の意見や言葉がまるで見えないサイトもあったり、ひどいところでは地道に有用な情報を発信しているサイトから内容を丸パクリしてるサイトもあったりと、あらゆるゴミサイト制作実例をGoogle検索結果の上位ページで見せられるという悪夢。書いてて腹立ってきた。

このようなゴミサイトが検索上位に来る現状では、有用なサイトを見つけるなんて、もはや砂金を見つけるようなものですね。ただただ大変。

お金が文化を破壊する

お金が主目的になることで中身のないものが蔓延し、結果その文化が破壊されてしまうというのは、いろんな事柄であったお話ですが、ついにインターネットもその段階に入ってしまったのかなあと。インターネットというインフラが完全に普及された昨今、ビジネスチャンスもその分増えたこともあり、お金のために魂を売るという、いわゆるセルアウトな輩が大量発生してしまいました。

クリック回数ベースでお金が入るアフィリエイトや、ページの閲覧数で収益が決まるウェブ広告など、これらのシステムは本来良質なコンテンツを作り、その結果アクセスやクリックが増えることで収益となるのを目的としていたはずです。そしてお金が入ることで良質なコンテンツを作るモチベーションに繋がることが期待されていたはず。

それが実際は楽してズルするような輩によって、本来の目的とは正反対の結果に陥っているのは、本当これはお金が持つ悪い側面が引き起こした問題なのではと思います。アクセスアップのためのSEO対策も、本来良質なコンテンツは色々な条件を満たしているはずなので、その条件を満たしているサイトは優先的に検索結果を上に表示させるという意味合いのはずです。これも完全に悪用されて、良質なページよりずっと多くの悪質なページが検索結果を荒らしてしまっている始末です。

これはGoogleが検索エンジンとして一強となり、あまりにも影響力を持ちすぎたことが原因でしょうし、その影響力のデカいGoogleが広告といったお金の要素を強めたことによって今の惨状につながっていると感じます。人間の悪用に対応できていない状況も、ロボットによる検索エンジンの限界を見たというか。そんなことで世界的な影響力を持つ会社「GAFA」の一角として持て囃されているGoogleですが、本業であるはずの検索エンジンにおいては、そんな明るい未来が待っているとは正直思えないですね。

そしてこれはインターネット全体の問題にも繋がりかねない話です。検索してもゴミサイトしか見つからないものなんて、いずれ誰も見なくなってしまう。自分が知らない色々な世界の情報が手に入るのがインターネット最大の魅力だと私は思っています。けれども、このままでは世界を広げてくれそうな情報を与えてくれるサイトはなくなり、お金の欲にまみれたゴミサイトしか残らないディストピアな結末になってしまうのではと思うと、インターネットにすごくお世話になった私としてはすごくやりきれない気持ちになります。

若い人は情報を得る際にgoogleで検索なんかせずに、twitterといったSNSで検索しているらしいですが、現状そっちの方がまだマシだよなあ。発言者のパーソナリティーが分かる分、信頼がおけるか判断する余地があるわけですから。まあ近いうちに上記のゴミサイトのようになってしまう可能性も大ですが。

これから

正直この問題はいくらGoogleが頑張ったところで、イタチごっこになるのがオチだと思うので、ロボット型の検索エンジンはいずれ廃れていくとにらんでいます。良質なコンテンツを見分けるなんて、AIでなんとかなるレベルではないと思いますし。

むしろかつてのインターネット文化がリバイバルする可能性があるかもしれません。2000年代前半に隆盛を極めたかつてのyahooのように、ディレクトリ型検索エンジンが復活したりとか。

あともしくは今ではすっかり廃れた相互リンクが復活するかも?信頼できるサイトからのリンクを辿っていくというのは、ロボット型の検索エンジンが提示するサイトより、よっぽど信頼性の高いサイトが見つかる可能性が高いですし。はてなブックマークのようなソーシャルブックマークが今より価値を高める可能性もあるかもしれません。

個人的な希望が含まれた予想になっていますが、かつてロボット型の検索エンジンが機能していたため、いつしか不要となった「リンク集」が、検索エンジンに再び取って代わる可能性は十分あるのでは!?


↓は私のテキストよりずっとわかりやすくて、要点を抑えた素晴らしい内容。同じようなテーマで書いたはずなのに、不思議!

「最近のネット検索では、欲しい情報が手に入らなくなっている」理由について - いつか電池がきれるまで