ゲームのバグ技を振り返る

ナムコの「ビデオゲームミュージック」というCDを借りました。そのライナーノーツに、収録されている曲のゲームに関する裏ワザについて記載されており、そういえば昔のゲームってなかなか面白いバグ技が多かったなと思い出しました。

80年代後半〜90年代前半

ファミコン

アーケード全盛期時代のことはよく分からないので、この時代から。ファミコンで一番有名なのは「スーパーマリオブラザーズ」のバグ技でしょうね。9面とか255面ができるというものが代表的か。ファミコンソフトの「テニス」を使うことで遊べるというもの。9面は見た目は地上のステージなのに、なぜか水中として泳いでいるというシュールなもので、任天堂はこのバグに反省するどころか、これは面白いと思ったのか、次作の「スーパーマリオブラザーズ2」でこの9面を再現しています。この頃のゲーム業界って大らかでいい加減だったと感じさせるエピソードですね。

ゲームボーイ

やはり初代の「ポケットモンスター」が挙げられるでしょう。ミュウの出し方や、けつばんの出し方は当時プレイした人ほとんどが知っていたような気がします。けつばんというポケモンがいると聞いたときは、「なんだそれ、おしりポケモンとかいるんか？」と聞き返した記憶があります。頭が悪いコメントですね。初めてインターネットをした時に、まず何を調べたかというとこのポケモンのバグ技だった気がします。ポケモンのバグ技の多さと、それを網羅したインターネットの情報量のすごさに感動したのはいい思い出です。

スーパーファミコン

ファイナルファンタジーをよくやっていたので、その辺りのバグ技が印象的です。「FF6」では装備品でない機械を装備できるというバグ技がありました。装備すれば防御力が最大値の255になるので、敵のほとんどの攻撃が1ダメージになるという結果に。「FF4」「FF5」ではアイテムを増殖できるというバグ技がありましたね。「ドラクエ5」ではひとしこのみというバグ技があって、それを使うと攻撃全てが会心の一撃で、モンスターが100%仲間になるというものがありました。これは確か発売して10年くらい後に判明したもので、当時はすごく驚いた記憶があります。

90年代後半〜現在

プレイステーション・ニンテンドウ64

それまではゲームシステムやプログラム自体のバグが多かったのですが、この時代になると3Dになったこともあり、グラフィックによるバグが多かった印象。「スーパーマリオ64」とか「ドンキーコング64」ではポリゴンの裏側に入り込んで、本来行けないところに行ったりするようなバグ技が多かった。

プレイステーション2以降

ゲームハードメーカーとソフトメーカーの絶え間ない努力のおかげでゲームの品質が安定してきて、仮にバグがあってもアップデートで対応できるので、語り継がれるバグというのはほとんど無くなったように思える。キャラの顔が崩壊した「真・三国無双7」や、クソゲー界隈で衝撃を与えた「メジャーパーフェクトクローザー」とか例外はたまにありますが。

振り返ってみて

昔に遡るほど過激なバグ技があったなと振り返って思いました。そういえば昔は「大技林」という裏技やバグ技が書かれた本がありましたね。辞書サイズの。ああいう本が成り立つほど昔のゲームはバグだらけだったんだなと今更ながら感じました。

そして思ったのが、バグ技ってやっぱり面白いですね。バグが起こることで予定調和と違ったものが返ってくるスリル、隠されていた世界が暴かれたようなロマン、バグ技はこういったゲームをより面白く魅力的にする要素を持っていて、人間はいつまでもまだ見ぬ世界を見たいというフロンティア的な欲求を、バグ技は満たしてくれているのかなと思ったり。

初代ポケモンだと150匹のポケモンがいるという世界の中に幻の151匹目であるミュウがいて、バグ技でも手に入れたらしっかりポケモン図鑑にno.151として記録されたときは、ロマンと言えるような興奮を覚えましたし（最強ポケモンであるミュウツーのルーツというのもロマンがあった）、マリオだと9面といったバグ技のステージは、しっかり計算された通常のステージと違い、不条理で常識を超えたステージなのがゾクゾクします。コンピュータのバグが偶然引き起こされ、人間の認識を超えるような世界が提示されたスリルというものが、そこにはあると思う。

あとこういうバグ技って、友達や兄弟姉妹から「この裏技知ってるか？」という感じで知るものだと思いますが、これって情報源はどこからなのでしょうかね？そしてどうして全国津々浦々に伝わっているのでしょうか？私は都会じゃない街で育った人間でしたがしっかり伝わってましたし。今思えば謎でちょっと恐ろしくもある話。

全体的に懐古的な内容になっていましたが、ゲーム自体はバグがない現在のゲームの方がいいですね。バグによってゲームがフリーズしたり、身に覚えがないのにセーブデータが消えるのはもう本当にゴメンなので。ゲームハードメーカーとソフトメーカーの絶え間ない努力のおかげで（2回目）、こういう心配に悩まされることがほとんど無くなったのは本当に良いことだということを、締めの言葉にさせていただきます。

最後にバグ技の画像をちょいと。